猫が留守番できる時間

留守番が多くても猫は飼える?

成猫の留守番は14時間まで

群れで暮らす犬とは異なり、猫はもともと自分の縄張りで単独行動する生き物です。マイペースなイメージ通り、比較的留守番は得意といってよいでしょう。

飼い主さんの不在時に猫は何をしているのかというと、お昼寝をしていることがほとんどです。月齢にもよりますが、猫は1日12~16時間も眠っている“ロングスリーパー”なのです。猫の性格によっても異なりますが、健康で留守番に慣れた成猫であれば、1日12~14時間くらいの留守番は可能といわれています。たまにであれば、1泊2日程度の旅行にも耐えられるでしょう。

とはいえ頻繁に家を空けるようなことは、猫にとってもストレスになります。猫の性格によっても耐えられる長さは変わってきますので、留守番前後の猫の様子はしっかりと観察する必要があります。

子猫の留守番

生後半年に満たない子猫の場合は、急に長時間の留守番をさせるのは難しいでしょう。この時期はまだまだ体調を崩しやすいので、注意が必要です。

また食事や排泄の回数も多いため、なるべくそばにいてこまめにお世話をしてあげる必要があります。はじめのうちは1~3時間程度の留守番からはじめ、成長に合わせて徐々に時間を延ばしていきましょう。

共働きや一人暮らしの場合、この子猫の時期をどう乗り切るのかが大きなポイントです。昼休みの時間を利用して様子を見に行く、実家が近い場合は家族にお世話を頼むなどの手段を考えてみましょう。

そういったことが難しい場合は、大型連休を利用して子猫を迎え、留守番準備を進めたり、少し成長した猫を迎えたりするという方法もあります。事前に購入先に相談をして、お迎えから留守番デビューまでのスケジュールを組むといいでしょう。

共働き家庭の留守番

共働きの場合、どうしても留守番の時間や頻度も多くなりがちですよね。共働きの場合は、下記のポイントに気をつけましょう。

猫も構ってもらえないとストレスを感じる

自由気ままなマイペース、ツンデレなイメージを持たれることの多い猫ですが、飼い主に「構ってほしい」気持ちがないわけではありません。犬ほどではありませんが、猫も放置されっぱなしではストレスをためてしまいます。

一緒に遊ぶだけではなく、そばにいて優しく話しかけたり、遊びに誘ったり、おやつをあげたりすることもコミュニケーションです。家を空ける時間が長くなる分、意識的なスキンシップやコミュニケーションを心がけてください。

計画的で無理のない範囲で留守番をさせよう

前述した通り、生後6カ月未満の子猫にとっては、半日を超える長期間の留守番は難しいと言えます。

共働きで子猫をお迎えするときは、長時間の留守番ができるようになるまでの期間をどう乗り切るのかを考えなくてはなりません。食事と適切な室温の管理や飼育環境の準備、短時間から留守番に慣れさせるためのトレーニングなどを計画的に行いましょう。
関連する記事

猫の留守番で押さえるべき5つのポイント

猫に留守番させる5つのポイント
いくら留守番が得意な猫とはいえ、「ひとりで安全に過ごせているかな?」と心配になるのが“飼い主心”ですよね。

留守番時のトラブルを防止するためにも、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

食事と水は十分に用意する

成猫の場合は1日2回に分けてフードを与えますが、留守番時には猫がおなかを空かせてしまわないよう、十分な量を準備しましょう(ただし、あげすぎはNGです)。
同時に猫の飲み水もなるべく新鮮なものを用意しておきます。

ウェットフードは傷みやすいため、留守番時のごはんには適しません。またドライフードの場合でも、長時間の置き餌は衛生的に好ましくないでしょう。

残業などで夜の食事時間に間に合わない日が続く場合は、自動給餌器の導入を検討するのも一つの方法です。

温度管理をしっかりとする

ごはんや水の準備と同じくらい大切なのが、適切な温度管理です。室内にいても熱中症の危険がある真夏や、寒さで体調を崩しがちになる冬場は、1日の寒暖差に注意してください。

室内のエアコンは、夏場28℃前後、冬場は20~22℃くらいに設定しておきます。

また子猫やシニア猫は成猫よりも寒さに弱いため、エアコンの温度をやや高めにする、温かい素材のベッドや湯たんぽを与えるなど、体を冷やさせない工夫も必要です。
関連する記事

危険なものは手の届かないところ片付ける

床の上に伸びる電気コードや、飲み込めるサイズの小物類は、格好のいたずら対象です。猫がかじってしまいそうなもの、飲み込んでしまいそうなものは、目の届かない場所に片づけておきましょう。

また、タマネギやチョコレートなど、人間にとっては無害でも、猫の体には危険な食べ物も存在します。キッチンやダイニングテーブルの上に食べ物を残さないように注意しましょう。

人間の食事スペースには、なるべく猫を入れないようフェンスやゲートなどを設置する方法もあります。

トイレは多めに用意する

猫はとてもきれい好きな動物で、汚れたトイレを嫌います。トイレが掃除されないままだと、排泄を我慢してしまう子もいるほどです。

留守番時に備えて、トイレは「猫の数+1個」を用意するのが望ましいです。また帰宅してからは、なるべく早くトイレ掃除をしてあげましょう。

脱走防止策をする

テレビやネット動画などで、猫がまるで人間のようにドアノブを開けたり、前足で器用に網戸を開けたりする姿を見たことのある人は多いのではないでしょうか。

一見微笑ましい行動ですが、そこには思わぬ脱走の危険性が秘められています。一度外に出ていってしまうと、事故にあったり、そのまま見つからなくなってしまったりするケースもあるため、何が何でも脱走は防がなくてはなりません。


手軽にできる対策として、室内に脱走防止柵を設置したり、網戸に防止フェンスを取り付けたりする方法があります。設置に当たっては、猫の体がすり抜けられるほどの隙間がないか、ジャンプで飛び越えられる高さではないか、十分検証しましょう。

子猫はケージも活用する

留守番に慣れていない子猫の場合は、専用のケージに入れておく方法もあります。室内での誤飲や家具へのいたずら、脱走の危険性が減るため、飼い主としても安心できますね。

ただし、長時間狭いケージに入れておくのは、猫にとって大きなストレスです。ケージを使ってのお留守番は、なるべく半日以内で、短時間に留めましょう。
関連する記事

猫だけで1泊以上留守番させても大丈夫?

座っている猫
共働きや一人暮らしの場合、出張や旅行、その他急用などで、猫を置いて外泊しなければいけないケースが想定されます。

きちんと環境を整えた状態で、かつ健康的な成猫であれば、1泊2日程度の留守番は可能です。しかし先ほど説明したように、食事やトイレ、室内環境には十分注意する必要があります。

留守番が2泊以上になってしまうときは、ペットホテルやペットシッターなどに預けることを検討しましょう。

ただし、猫は環境の変化に弱く、「ペットホテルに預けたら体調を崩した」などというケースは珍しくありません。できればペットシッターや信頼できる家族、友人などに自宅訪問をしてもらう形でお世話をお願いする方法がおすすめです。

猫の留守番に便利な3つのおすすめグッズ

猫の留守番に便利な3つのおすすめグッズ
ペットカメラなど便利なグッズもたくさんあります。必要に応じて、留守番を助けてくれるアイテムの使用を検討するのもよいでしょう。

自動給餌器

猫の食事の時間までに帰れないときなどに便利なグッズです。ストッカー部分にフードをセットしておくと、設定した時間に自動で餌やりをしてくれます。

入れられるフードの量や餌やりの回数は商品によっても異なりますが、2~3回に分けて給餌できるものであれば、1泊2日の留守番時にも活用できます。

また宿泊時には、フードだけでなく水やりもできるタイプの商品がおすすめです。

タイマーをセットするだけでなく、Wi-Fiに接続してアプリで遠隔操作できる商品も登場しています。用途に合ったものを選びましょう。

ペットカメラ

長時間の留守番の強い味方となるのがペットカメラです。手持ちのスマートフォンにアプリをダウンロードし、カメラと連携させることでリアルタイムでの見守りが可能になります。

なかには、留守番中の猫に話しかけられる音声機能や、おもちゃで遊べる機能、ペットの異常を感知して通知してくれる機能を搭載している商品も。また複数のスマホアプリと接続できるものは、共働き夫婦にも便利ですね。

スマートリモコン

スマートリモコンと言えば、音声で部屋の電気やテレビ、スピーカーなどの家電を操作できるものがありますが、猫の見守りに適した商品も登場しています。

留守番のときに便利なのが、遠隔でエアコンや湿度の調整ができる機能です。出先からでも室温をチェックしてエアコン操作できるため、気温の変化が激しい時期におすすめです。

ペットカメラが搭載されているもの、自動給餌器とセットになっているものなど、種類もたくさんあります。

まとめ

猫を安全に留守番させるためのポイントのまとめ
共働きや一人暮らしで家を空けがちの人に向けて、猫を安全に留守番させるためのポイントを解説しました。
成猫できちんと飼育条件を整えていれば、1泊2日までの留守番は可能です。それ以上の場合は、なるべく猫が慣れている家族や友人、ペットシッターにお世話を依頼するのがおすすめです。
留守番をさせるときは短時間から徐々に時間を延ばして、少しずつ一人の環境に慣れるようトレーニングを進めてくださいね。
関連する記事